2010年になりましたね。

年が明けてからずっと例年以上にドタバタしていたので、気がついたら1月も結構過ぎてました;;
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

今回は初のアニメの感想の記事を書こうと思います。
古いアニメについて書いてもいいのですが、新しいものの方が需要がありそうな気もするので、今回は比較的最近のアニメ、『DARKER THAN BLACK -黒の契約者-』(2007年)と続編『DARKER THAN BLACK -流星の双子-』(2009年)についての感想です。
あらすじとかは書かないので、見てない人にはどうでもいい記事になりそうですね。。。
(以下ネタバレ注意です!)

以下、防御線。
今後、見たアニメの感想を書いていく機会も増えていくと思いますが、あくまでここで書いていくのは感想です。
見ながら引っ掛かったことを淡々と書いていこうと思います。
私はアニメの専門家でも何でもないので、批評とかはさすがに厳しいです。
だからといって「これがダメ、あれがイイ」とだけ書いても仕方ないので、自分が見ながら引っ掛かったことを少し読み込んだ感じで書いてみようと思います。
「クソみたいな感想をネット上に垂れ流してんじゃねーよ!」という文句もあるでしょうねw
一応、アニメの感想の記事は自分のメモ書きも兼ねてるつもりです。
これだけアニメが量産されていると、書いておかないと忘れてしまいそうなので;;
メモを残しておくと自分の嗜好と欲望の傾向が見えてきたりするのではないか…と思ってみたりしてますw
あとは専門家による考察でなくても、好き嫌いだけではない感想を書いておくことで、そこに引っ掛かってくれて何か考えてくれる人がいるのではないかという期待もあります。
やはりリンクを貼る作業は大事な気がするのです。
だから感想垂れ流すのを許してね!w


あとはこれから書いていく感想は基本的にアニメ版しか見ていません。
もちろん例外でマンガやラノベ等の原作を見ている場合もありますが、そこまでチェックしている作品は稀です。
ですので「原作ではそうではない!クソが!!」と責められると謝るしかないので予め謝罪しておきます。ゴメンね!
だからといって、「アニメを単独の作品として見ていきたいのです!」とかナイーブなことを考えているわけではないですよ。
純粋にそこまでする時間がないだけですw
だから「原作のこの辺がちょっと違ってて面白いよ!」的なことはじゃんじゃん教えてくださいな。
時間を作って読んでみる気になるかもしれませんのでw
ここまで防御線。


まずは第一期のDARKER THAN BLACK -黒の契約者-から。
物語は基本的に主人公・黒<ヘイ>と同じ組織の仲間である銀<イン>、猫<マオ>、黄<ホァン>を中心に、「契約者」がらみの事件を解決していくという流れで進んでいきます。(世界観やあらすじに関してはwikipediaを参照)

この作品を見ていく中で特に目についたのは、登場するキャラとSFバトル系のストーリーがバランスよく作り上げられているところです。
端的に言えばキャラ立ちさせながら、うまいことSFも描いているということですね。
本作には男性キャラ、女性キャラともにいい味を出しているキャラが沢山出てきてはいるのですが、それがシリアスなストーリーを崩すことなく構成されています。
テンプレ的な萌えキャラに駆動されてストーリーが進展するようなアニメも多々ありますが、本作ではそういった印象は受けません。
だからといってキャラの印象が薄いわけではありません。
男性キャラならノーベンバー11、女性キャラなら銀<イン> やアンバーなどしっかりとキャラ立ちしているように思います。
ノーベンバー11は女性視聴者には受けるでしょうし、無口・無表情系の銀<イン>、お姉さんキャラから幼女までを何でも来いのアンバーは男性視聴者を明らかに狙ってます。
にもかかわらずキャラがストーリーを食ってはいない感じです。
これに関しては、それぞれの狙ったキャラが既存のキャラクター類型にしっかり嵌っていることがポイントだと思います。
銀<イン>に関しては綾波レイからの流れにすっぽり嵌っていますし、アンバーの容姿はC.C.(コードギアス)と酷似しています。(個人的な印象なのでなんとも言えませんが…)

こうした既存のキャラ類型に嵌っていることにより、ストーリーを損なうほどキャラを全面に出す必要がないわけです。
キャラの特徴等は多く語らずとも視聴者が勝手に創り上げてくれるので、ストーリーを進行させる方に集中できるわけですね。
既存のキャラとのリンクをうまく使うことで、萌えアニメ好きにもSF好きにも受け入れられるようなバランスのとれた作品になっていると思います。


大枠の部分ばかり語っても仕方ないので、内容の方の感想も書こうと思うのですが、多分ネット上に溢れている話題はラストの主人公の選択のことでしょう。
これに関しては私が書かなくても感想が溢れていると思うので、違う観点から書いてみようと思います。

私自身がこの作品を見ていて強く印象に残っているのは「擬似家族」についてです。
一期、二期通じて「擬似家族」形成がSF設定の裏で物語を駆動しているように思えます。
何でそんなことを思ったかと言うと、一期から二期の流れが『機動戦艦ナデシコ』を彷彿とさせたからです。
ただ単に私自身が好きな作品だからかもしれませんがw

本作の主要登場人物である黒<ヘイ>、銀<イン>、猫<マオ>、黄<ホァン>は契約者、ドール、人間というそれぞれの立場や組織との関係から当初は噛み合いません。
任務を遂行するために組んでいるだけの関係です。
それが紆余曲折を経て次第に信頼関係を築き上げ、物語後半になると「擬似家族」的な関係を形成していきます。
Zガンダムエヴァのようにとことんすれ違いまくって、「擬似家族」が機能しないような絶望的な状況にはならず、「擬似家族」形成物語の典型的な展開になっているわけです。
しかしながらこの「擬似家族」は二期では崩壊しています。(一期の最後で死亡したりしているので当然なのですがw)
一期の後半で綺麗に形成された「擬似家族」は、二期では完全に離散し、主人公黒<ヘイ>は「擬似家族」から放り出され、ボロボロの状態になって登場するわけです。

こうした二期当初の状態は一期ラストで暗示されています。
先にも少し述べましたが一期ラストで黒<ヘイ>は人間をとるか、契約者をとるかという選択を迫られます。
しかし、黒<ヘイ>はどちらでもなく両者の共存を選択します。
この選択に対するアンバーのセリフが象徴的です。

アンバー「本当にそれでいいの?それがあなたの答えなの黒?両方を選んだあなたの先には困難しか待ってない。組織はどんな手を使ってでもあなたを追ってくる。そうなればあなたはまた人を殺さなくてはならない。「もう嫌だ」って言ったじゃない。せっかく手に入れた物をまた失うことになるんだよ。本当の星空も、大切な妹ももう会えなくなる。それでも…」

まさにアンバーが予言するように黒<ヘイ>は二期で困難な状態になっているわけですねw
契約者、人間、ドールが信頼関係を築き、「擬似家族」の形成を試みて「共存」を狙ったとしても厳しい現実が待っていて打ちのめされるというわけです。

先程述べたナデシコとの類似ですが、このあたりのプロットが似ているわけです。
だからどうしたという感じですがw
見ていて引っ掛かったことを書いているだけなので許してくださいねw

ナデシコにおいても地球側、木星側のそれぞれの「正義」に振り回されながらナデシコクルーは「擬似家族」を形成していきます。
そしてTV版ラストでは地球側、木星側の「正義」ではなく「素敵な自分勝手」によって「共存」を選択していくわけです。
しかしながら、映画版では「擬似家族」が崩壊したところからスタートし、主人公はやはりボロボロな状態で登場します。
綺麗事を並べ立てても現実は厳しいということでしょうかw
10年以上前のラブコメSFと現在のバトル系SFのプロットが変わらないということは、時代認識自体が大して変わっていないということが言えるかもしれませんね。
強引に結びつけるなら、旧映画版エヴァのラストの「気持ち悪い」とも通じるものがある気がします。
シンジ君が頑張って「人類補完計画」を拒否することを決断したけれど、現実は「気持ち悪い」だったという感じで。

閑話休題。。。
最近のアニメやラノベ等を見ていると「擬似家族」というのがひとつのキータームとなっている気がします。
近代的な家族が崩壊している中で、「家族的なもの」をいかに構築していくかというのが関心事なのかもしれませんね!
と、思ったより話が膨らまず落とし所に困ったので、適当なことを言ってごまかしておきますw
一期に関する感想というか引っ掛かったことはこんなところです。


次は二期のDARKER THAN BLACK -流星の双子-ついてです。
二期は尺も短かったせいか(1クール)、一期に比べて小ぢんまりしている感じです。
キャラに関しても一期ほど目立ったキャラが出てきません。
マダム・オレイユのようにいきなり変な戦闘服?に身を包んで出てくる狙ったキャラはいますけどねw

ストーリーに関しても二期から登場した主人公である蘇芳・パヴリチェンコという少女の成長物語という非常にシンプルなものになっています。

ただ一期からのつながりから考えれば「擬似家族」形成の物語として読めると思います。
二期は少女の成長物語+「擬似家族」形成の物語な感じです。

二期は前作からの主人公黒<ヘイ>と蘇芳、ジュライの三者を中心に物語は展開していきます。(一応猫<マオ>もいますが)
蘇芳は当初、黒<ヘイ>に反発しますが、次第に信頼関係を築いていきます。
ジュライに対してもあたかも弟のように接するようになります。
父、娘、息子の三者による「擬似家族」が形成されていくわけです。
少女が「擬似家族」の中で成長していくというこれまたテンプレ物語ですねw

でも、二期に関して面白いのがラストの超展開というかカオスな展開です。
蘇芳の弟・紫苑の能力によって地球がコピーされ、蘇芳やジュライがそこに送り込まれ幸せに暮らしましたとさという、いかにもご都合主義でどこかの掲示板とかが荒れそうなラストになっていますw
コピーされた地球では蘇芳には家族がいて普通に高校生活を送っているという感じです。
物語内で二次創作をやっているわけですね。
他方で、もとの世界はボロボロの厳しい世界のまま残されているわけです。

このラストの展開をどう読むか…
「現実は厳しいから二次元に引き込もっちゃうよ!」的に読むのが普通でしょうか。

でも、ここでは折角「擬似家族」をカッコまでつけて連呼してきたのでその点から考えてみることにします。
ラストで蘇芳はコピーされた世界で「擬似家族」ではなく「家族」に囲まれて幸せな生活を送ることになるわけですが、これだけ見るとただの懐古主義にしか見えません。
でも、それではつまらないので無理矢理読み込みます。

ここでのポイントは、蘇芳は記憶を失っていますが何か違和感を持っているという点です。
この違和感こそ、この世界が並行世界のひとつでしかないという感覚を表しているように思えます。
元の世界を経験しているからこその違和感なわけですから。
目の前の世界が確かなものであると考えるのではなく、別の世界があり得るのではないかという感覚をこの違和感は表しているように思えます。
もとのボロボロの世界になる可能性もあれば、コピー後の平和な世界になる可能性もある。
このように考えると、ラストの展開を単なるバックラッシュとして位置づけることは出来ません。
蘇芳はこの世界、この家族の不確実性を分かっているわけですから。

こんな感じで読み込んでみたわけですが、ラストのカオスさは変わらないですねw
どうしてこうなったのかと考えると尺の短さが原因なような気もします。
ただこの作品のテンプレ物語とテンプレキャラからなるバランスを考えると、何となくですがこうしたラストになるのも頷ける気がします。
ラストをボロボロの厳しい世界で終わらせることも出来たでしょうが、それではあまりに絶望的すぎます。
だからといって「家族が出来ました!わーい」ではあまりにもアホ過ぎます。

そこで編み出されたのがこのラスト。
ボロボロ世界と平和な世界を「共存」させてバランスをとることを選択したわけです。
でも、現実は厳しいのでこのラストに対して色々バッシングもありそうですねw
ただ、こうした試みは個人的にはバンバンやって欲しいですね。
綺麗にまとめることもいいことだとは思いますが、少し無茶をしないと今の物語の閉塞状態は抜け出せない気がしますから。

本当に取留めのないことを長々書いてしまいましたが、今回はこんなところです。
そのうち『とある〜』シリーズに関しても書いてみようかと思います。
ではではーノシ